2023.08.14
ラケットのピッチのお話
こんにちは、テニサポ仙川店清水です。
今回はラケットの要素の1つである「ピッチ(間隔)」についてお話しいたします。
これはテンションを変える以前にラケットの打感を左右する重要な要素です。
少し専門的な内容ですが、ここを押さえることによって
①ラケット選びがラクになる
②ガット・テンション設定を決めやすくなる
③自分の思い通りに質の高いボールを打ちやすくなる
という大きなメリットがあります!
ぜひ最後までお読みください!!
ピッチというのはガットが通る穴、または糸同士の間隔のことです。
これはラケットごとに異なる広さで設計されており、
また1つのラケットでも部分ごとに広さが変えられたりもしております。
基本的に広ければより糸がたわみ、ガットも動きやすくなります。
すると打球時に生じる影響は、
・弾道が上がる
・打感が柔らかくなる
・ボールとの接触時間が長くなる(なったように感じる)
といった感じです。
スイングがゆっくりな方、ボールの軌道を上げたいシコラーの方、
腕への衝撃が気になる方などは、テンションを緩く張る以前にピッチの広いラケットを
使うとより楽にプレーできると思います。
そしてピッチが狭い場合、ガットがたわみづらく、動く量も減ります。
その結果、
・弾道が低くなる
・打感が硬めになり、ボールを弾きやすくなる
といった影響がでます。
この場合のメリットは、低いボールを繰り出しやすい(前衛に捕まりにくい)、
スイングパワーをロスすることなくそのまま伝えることができます。
もともとスイングが早い方や、相手の時間を奪うようなプレーをしたい方は、
こちらの方がイメージ通りのボールを打ちやすくなります。
というわけで実際にピッチが広いラケット、狭いラケットの例を見てみましょう。
まずは広いラケット
こちらは誰もが知るスピンラケット「ピュアアエロ」です。パターンは16×19。
スピンや高弾道がコンセプトなので当然ピッチは粗く、面がたわむように作られています。
今作は少しピッチが狭くなったようですが、それでも全体的に広めの間隔です。
お次は狭いラケット
こちらは前モデルの「ピュアストライクVSツアー」。
16×20と目は細かく、アエロと比べてもガットのマス目が狭くなっているのが確認できます。
このラケットはスイングが早く、かつ低弾道のボールを打ちたいプレーヤー向けに設計されている為、
パワーをロスしないようにピッチが狭くなっているのです。
このようにラケットはあらかじめピッチが決まっており、
テンションを決める以前に既に大方の打感は決まっているのです。
そのうえで弾道をコントロールしたり、弾きを調整したい場合にテンションや
ガットを選ぶ段階に入ります。
以上の点を踏まえたうえで、色々なラケットを見てみましょう。
ダンロップ「SX300」
ヨネックス「VCORE100」
以上の2つのラケットはどちらもスピンラケットなのですが、面白い対比になっています。
どちらもスイートエリアが先端寄りに設定されている今風のラケットですが、
SX300は「先端につれてピッチが細かく」
VCORE100は「先端につれてピッチが広く」
なっています。
これはメーカーごとの考え方の違いで、
ダンロップは弾きを増やしてよりパワーロスを少なく、
ヨネックスはたわみを増やして弾道を上げる。
という工夫がなされているのです。
ダンロップは中~上級者向き、ヨネックスは初級~中上級者向きの設定というのがよくわかります。
こんな風に、ラケットの形状を見るだけでも色々なことが分かるのです。面白いですね!(^_^)
ご自分のラケットの特性が気になった方は、ぜひ当店にてご案内いたします!!
では!!!(^o^)/