2020.09.08

小話「反撃の狼煙はあがった」 ~ GEL-RESOLUTION 8 OC ~

 

 

団体戦に出場する選手を決めるための

部内戦。

最後の一枠を決めるその試合に

勝ったのは・・・俺だった。

 

 

 

 

関東近郊の、とある県出身の俺。

東京にある、このT大学にすすんだのは

単純に合格したのがここだけだったからだ。

そして高校ではサッカーをしていた俺が

体育会テニス部に入部したのは

なにか新しいことを始めてみたくて

という些細な理由だった。

 

 

 

 

テニス経験のない俺、が

中高とテニスをやってきた仲間たちに

技術でたちうちできるわけがない。

 

 

 

1に体力、2に足の速さ、3に気力。

長い長いラリーをして、やっと対等。

それだけの男だった。

 

 

 

 

そんな俺が、

団体戦メンバーの最後の一枠を

山中先輩から勝ち取ってしまった。

どうみても俺よりうまい先輩からみれば

さぞや悔しかったろう。

 

 

 

 

先輩は、それから俺と

口をきいてくれなくなった。

 

 

 

そして団体戦当日。

俺の相手は、対戦校のナンバー1だった。

 

 

 

チーム的に考えれば大あたりだ。

最後の一枠にすべりこんだ俺に

もともとあまり勝ち目はない。

相手エースに俺をあてて

のこりの対戦でひとつでも多く勝つ。

俗にいう「ステポン」だ。

 

 

 

 

実力差は大きい。

第1セットは 0ー6。

2セット目も0ー4だ。

仲間たちも、俺には期待していない。

俺もステポン、としての役目を

まっとうすることしか考えてなかったそのときー

 

 

 

「ふざけんな、テツ!

 このままあきらめんのかよ!」

 

 

 

そう俺を鼓舞してくれたのはー

口もきいてくれなくなっていた山中先輩だった。

 

 

 

 

そうだ。

俺は

1に体力、2に足の速さ、3に気力。

しつこさがウリの男だった。

 

 

 

 

ねばれ、ねばれ、あきらめるな。

 

 

 

そして

 

 

 

 

ゲームカウント1-4。

ここにきてようやく、俺のしつこさが

きいてきた。

コ-トチェンジの時、はじめて

相手が疲れをみせた。

 

 

 

 

さあ、ここからだ。

反撃ののろしは上がった。

 

 

 

 

 

そんな俺、がこの日履いていたシューズはこれ。

脚力がウリのあなたに

こたえてくれるシューズです。